海外移植ガイド
~海外での臓器移植を成功させるには~
今でもなお、渡航移植を切望する方々が私の周りにたくさんいます。
私は、これまでNPOで活動してきたことが臓器移植法12条違反に当たるとは考えていませんが、渡航希望者をサポートするため、法令を遵守し、安全、安心な渡航移植へと導いています。
以下の各事項を確認し、自身で渡航の是非を判断なさって下さい。
⑴ 日本国の医師免許を有した者が移植希望者を診察(各種検査)した結果、治療方法として臓器移植が最適または適応との診断に至り、かつ海外の医療機関に対して紹介状の作成がなされた場合は、臓器移植法12条の適用を受けません。※○○ちゃんを救う会も同様です。
⑵ 営利目的のあっせんは臓器移植法11条にて禁じられています。
臓器の売買に限らず、あっせんの対価を仲介業者に支払った場合、あるいは将来、支払いの約束をした場合も臓器移植法違反となります。但し、通常必要と考える費用の支払いはこの限りではございません。例えば交通費、宿泊、翻訳や通訳などの実費や必要経費は含まれません。
⑶ 海外では、当該移植が適切に実施されるか否かを審査する倫理委員会(第三者委員会)を開催し、ドナーに対する強制や経済的対価を伴う移植術か否かを稟議します。
当該移植術が妥当との裁定が下された場合に限り、移植術は実施されます。
補足説明
欧米では、友人間の臓器提供や第三者による善意の提供といった非血縁間の移植も、倫理委員会(第三者委員会)の承認を得られれば、実施されます。米国の場合、親族間よりも非血縁者間の移植術がより多く実施されている現実があります。
ここで問題になる点は・・・
渡航する前に仲介業者から倫理委員会を介した正式な移植手術と説明を受けても、それを確かめる方法がありません。
実際に移植を受けられた日本人から倫理委員会の様子や決定の経緯などを聞くことに加え、腎移植で最も重要となる術後のフォローアップや帰国後の医療機関の手配も含めて確認することが、渡航移植を考えている方にとって、極めて重要であり、これらに関する情報が充実していることが優良な業者かどうかを判断する材料となります。
術後のICUは個室か否か、ナースの対応はどうであったかなど、尋ねられるとよいと思います。悪質な業者の場合、民家や腎移植のライセンスを有していない病院で実施されたケースもあります。
対策は・・・
直近に渡航した複数の方から話を聞きたいと業者に尋ねてみることです。
それで実際に話をしてくれる人を紹介してもらえ、かつその話をしっかり聞けば、真実=適切なサポートをする業者かどうかが見えてくると思います。何よりも仲介者の実績や人柄を知るよい機会となります。
人生をかけて渡航移植に臨もうとするわけですから、この人は信頼できる、と思える人でなければなりません。
さらに申し上げれば、仲介者(移植コーディネーター)がどのような考えを持って海外移植の案内をしているのか、聞いてみてください。
※ 数年前の体験者を紹介してきたら、それは実績が無い業者か、運よく成功した者だけを紹介されたとお考え下さい。