帰国後の受け入れ医療機関を自分で探す
HIROMICHI KIKUCHI
菊池仁達 OFFICIAL WEBSITE
本年3月、腎移植を終えて2日目の患者さんが、夜間、急に咳き込み、ナースを呼びました。 移植病棟の看護師に緊張が走りました。
移植直後は免疫抑制剤の投与量が多く、このタイミングでの連続した咳き込みはウイルスあるいは細菌による感染症が疑われるからです。
夜10時を過ぎた頃でしたが、急ぎ呼吸器内科の先生がICUへ見えられました。
聴診器を当てながら患者の体温・血圧・脈拍などを確認し、気管支炎と診断を下しました。
そして、液体薬を含ませた水蒸気を酸素マスクと合体させ、患者に吸引させました。
この対応は、日本ではごく当たり前に行われていることですが、海外の病院では、医師が不在で適切な治療を受けられない場合も珍しくありません。
移植治療とはチーム医療であり、外科医が単独で進めるものではありません。
腎内科、循環器、呼吸器内科、消化器内科の各医師がしっかりと協力して始めて実施できる治療です。
夜間や休日、体調を崩した患者に対して適切な処置が可能でなければ、死に至ることもあるので、渡航移植を検討されている方は、そうした体制が整備されているかどうか、しっかり確認してください。
冒頭でご紹介したエピソードは、私がサポートした患者さんの話ですが、これを渡航準備中の患者さん達へお伝えしたところ、大いに喜び、安心されました。
その後、2名が渡航されました。
※現時点で4名の方が渡航の準備中です。
令和7年5月19日